血液型と肥満との関係
血液型と肥満との関連を調べた研究も数多くなされました。特定の血液型が太りやすいという結論を出した研究もありますが、現在では、血液型と体重との相関は否定されています。
アメリカでは1911年までに、甲状腺ホルモン剤が甲状腺機能低下症の患者に定期的に処方されるようになりました。そして、ある内科医からの報告が大きなニュースとなったのです。
その医師が診ていた肥満患者の中に、甲状腺機能低下症にかかっていた症例が多くあったというのです。甲状腺機能が低下すると、体内に水分がたまるため、見かけ上太ったように見えます。もちろん、蓄積しているのは脂肪ではなく水であるので、肥満とは別のものです。
肥満とは、単に体重が多いことではなく、脂肪組織が過剰に蓄積した状態をいいます。なお、肥満や糖尿病といった内分泌系の病気に、甲状腺炎など甲状腺機能の低下をきたす病気を合併する場合はたしかに存在します。
しかし、この内科医からの報告を受けて、肥満者に対する道徳的な非難が再び高まったのです。